迷惑以上の存在

娘が横浜におり、自宅を処分して娘と同居したいのでと、母親からの査定依頼でした。価格査定書(2,450万円)を作成し、母親に提示説明 査定書は横浜の娘の所に持って行くとの事でした。

何日か後に、新聞広告で査定物件と同じ物件が2,850万円で他社Sから出ていました。

直感的にこんな金額で売れるわけがないと思いながらも「まあ~400万円も高く提示すれば、売却依頼者は食いつくに決まっている、もしこの金額で決まったらちょっと恥ずかしいな」とも思い広告を注意していたところ2ヵ月後価格が2,750万円 更に一年経過した頃2,500万円それでも売れず暫く広告も出なくなり、「あ~あ 決まったのかな」と思っていた矢先、価格査定書を出して1年半も経過した頃、横浜の娘さんから

「だいぶ前になりますけど、母の家の査定をして頂いたのですが、当時査定金額が他社と比べあまりに安いので貴社に依頼しなくて申し訳ありません。当時査定書の提出は貴社だけで、その電話番号にかけています。今考えると貴社が一番正しった気がします」

「ところでお母さんの家の処分は済んだのですか?」

「それがまだだなのです… 失礼とは思いますが改めてお願いできますでしょうか?」

「当然仕事ですから喜んでお引受いたしますよ!でも、価格下落率が高い地域なものですから、当初の査定金額だと今では無理かと思います」

「判っています。母もこちらにいますし早く処分したいので、確実に売れる金額を言って下さい」

「少しお待ちください、当時のデータが価格査定ソフトに保存してありますので、発行日付を今日にすれば価格が出ますからね。…査定金額は2,100万円位です。確実に且つ早急と言う事ならば2,000万円でしたら大丈夫です」

「それでお願いします」

「では媒介契約書をお送りしますから一部を返送下さい。早速、営業活動に移ります」

結果、無事業務が終了致しました。

ここで何が言いたいかと申しますと、2,850万円で根拠のある査定書も出さず、単に当社査定金額に400万円上乗せして、売却依頼を受けた業者Sの事です。

多額の広告費用を費やした事は判ります。しかしそれ以上に依頼者に多大の損害を与えた責任を感じて欲しいのです。仮に弊社の査定通りで決まっていた場合450万円の損害を与えたのですよ!

とりあえず、高額で売却を依頼を受け、宣伝広告をし売れれば儲けもの、なかなか売れなければ値下げ交渉をする、この繰り返しで何時か決まれば良し。

これは、業者の利益追求のみで依頼者の利益になりません。

業法37条に「価格を提示する場合にはその根拠を提示しなければならない。」

とあります。この案件は、結果当社に依頼者が戻って来た件に関しては、嬉しかったかど、同業者がお客様の利益を損ねた事に、何か責任を感じた一例です。

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